会社の顧問弁護士 | Unilawの企業法務サポート
ベトナムで事業を展開する日系企業A社は、事業活動において内部ガバナンスと営業許認可に関する法的手続きについて継続的な助言を必要としていました。Unilawは同社に対し、企業内部ガバナンスに関する助言を提供すると同時に、事業所登録手続きの支援を行いました。この事例は、ベトナムで活動する企業が法令遵守と効果的な経営を確保するために、顧問弁護士による継続的な企業法務サポート(企業法務サポート)を必要とする典型的なケースです。
ベトナムにおける企業登記と事業所登録の法的枠組み
A社のような事業展開において、ベトナムの企業登記制度を正確に理解することが不可欠です。ベトナムでは、企業設立から事業所の追加登録まで、厳格な法的手続きが求められています。
この分野の基本的な法的根拠は、2020年企業法および企業登記に関する政令第01/2021/NĐ-CP号です。政令第01/2021/NĐ-CP号第1条第1項は、「本政令は、企業登記、個人事業登記に関する書類、手順、手続き、企業登記機関および企業登記・個人事業登記に関する国家管理について詳細に規定する」と明確に定めています。
同政令第3条第1項によれば、企業登記とは「設立者が設立予定の企業に関する情報を登記し、企業が企業登記情報の変更を企業登記機関に登記し、国家企業登記データベースに保存されること」と定義されています。この定義には、企業設立登記、支店・駐在員事務所・事業所の活動登録、その他本政令に規定される登記・通知義務が含まれます。
事業所登録手続きの実務的重要性
A社が直面した事業所登録は、企業が本店以外の場所で事業活動を行う際に必須となる手続きです。政令第01/2021/NĐ-CP号第6条は、企業登記証明書、支店・駐在員事務所活動登記証明書、事業所登記証明書について規定しています。
同条第1項は「企業登記証明書、支店・駐在員事務所活動登記証明書、事業所登記証明書は、企業、支店、駐在員事務所、企業の事業所に対して発行される。企業登記証明書、支店・駐在員事務所活動登記証明書、事業所登記証明書の内容は、企業登記書類の情報に基づいて記載される」と定めています。
特に注目すべきは、政令第8条が定める事業所のコード体系です。第8条第6項によれば、「事業所コードは00001から99999までの連番で付与される5桁の数字からなるコードである。このコードは事業所の税務コードではない」とされています。これは、事業所が独立した税務管理単位ではないことを意味し、企業全体の税務管理との関係を理解する上で重要な実務的知識です。
企業内部ガバナンスと法令遵守の継続的必要性
A社への助言において中心となったのは、企業内部ガバナンスの適切な運営です。2020年企業法は、企業の種類に応じて詳細なガバナンス構造を規定しており、これらの規定を日常業務に適切に適用することが求められます。
政令第01/2021/NĐ-CP号第4条は、企業登記手続き解決における適用原則を定めています。同条第1項は「企業設立者または企業は、企業登記書類を自ら申告し、企業登記書類および報告書に申告した情報の合法性、真実性、正確性について法的責任を負う」と明確に規定しています。
この自己申告制度の下では、企業は提出する情報の正確性に全面的な責任を負います。そのため、登記内容の変更、事業所の追加、役員の変更など、あらゆる企業活動において、法的要件を正確に理解し適用する継続的な法務サポートが不可欠となります。
さらに、同条第2項は、有限責任会社および株式会社が複数の法定代理人を有する場合、「企業登記手続きを実施する法定代理人は、2020年企業法第12条第2項の規定に従い、自らの権限と義務を適切に行使することを保証し、責任を負わなければならない」と定めています。これは複数代表者がいる企業において、誰が登記手続きを行う権限を持つのかという実務上の重要な問題に関わります。
顧問弁護士の役割:予防法務と継続的助言
A社の事例が示すように、ベトナムで事業を展開する企業にとって、顧問弁護士による継続的なサポートは単なる事後的な問題解決ではなく、予防法務の観点から極めて重要です。
企業登記に関する手続きは、政令第01/2021/NĐ-CP号第9条により「企業設立者または企業は、企業登記手続きを実施する際に1部の書類を提出する」とされ、第10条では「企業登記書類の文書は、ベトナム語で作成される」と規定されています。外国語文書がある場合は、公証されたベトナム語翻訳が必要です(第10条第2項)。
これらの形式的要件だけでなく、政令第7条が定める業種登録の規則も複雑です。同条第1項は「企業設立登記時、業種の追加・変更通知時、または企業登記証明書への切替発行申請時、企業設立者または企業は、ベトナム経済業種システムにおける第4レベル経済業種を選択して、企業登記申請書、企業登記内容変更通知書または企業登記証明書切替発行申請書に業種を記載する」と定めています。
業種選択は単なる形式的手続きではなく、企業の事業範囲を法的に確定させ、条件付き業種への該当性を判断する基礎となります。同条第3項および第4項は、ベトナム経済業種システムに含まれない業種や、他の法令で規定される業種についても対応方法を定めており、専門的な法的判断が求められる領域です。
登記情報の変更と企業の継続的義務
企業活動において、登記内容の変更は日常的に発生する事象です。政令第01/2021/NĐ-CP号は、企業が登記情報の変更を迅速かつ正確に報告する義務を詳細に規定しています。A社が事業所登録を必要とした背景には、事業拡大に伴う登記内容の変更という典型的な企業活動がありました。
政令第9条第1項は「人thành lập doanh nghiệp hoặc doanh nghiệp nộp 01 bộ hồ sơ khi thực hiện thủ tục đăng ký doanh nghiệp(企業設立者または企業は、企業登記手続きを実施する際に1部の書類を提出する)」と定めており、書類提出の簡素化を図っています。さらに同条第2項では「Cơ quan đăng ký kinh doanh không được yêu cầu người thành lập doanh nghiệp hoặc doanh nghiệp nộp thêm hồ sơ hoặc giấy tờ khác(企業登記機関は、企業設立者または企業に対し、規定以外の追加書類の提出を要求してはならない)」と明確に規定しています。
この規定は、企業の負担軽減と行政手続きの透明性を確保するための重要な原則です。A社の事業所登録手続きにおいても、Unilawはこの原則に基づき、必要最小限の書類で効率的に手続きを完了させることができました。
言語要件と外国企業の実務上の課題
日系企業にとって特に重要なのが、登記書類の言語要件です。政令第10条は登記書類の言語について詳細に規定しています。同条第1項は「Các giấy tờ, tài liệu trong hồ sơ đăng ký doanh nghiệp được lập bằng tiếng Việt(企業登記書類の文書は、ベトナム語で作成される)」と定めています。
第10条第2項では「Trường hợp hồ sơ đăng ký doanh nghiệp có tài liệu bằng tiếng nước ngoài thì hồ sơ phải có bản dịch tiếng Việt công chứng kèm theo tài liệu bằng tiếng nước ngoài(企業登記書類に外国語文書がある場合、公証されたベトナム語翻訳を外国語文書に添付しなければならない)」と規定されています。
A社のような日系企業は、日本本社からの授権書や株主総会議事録など、日本語で作成された文書を登記手続きで使用する必要が生じることが多々あります。この場合、公証されたベトナム語翻訳の準備が不可欠となり、翻訳の正確性が法的効力に直接影響します。Unilawは、企業内部ガバナンスに関する助言において、このような言語要件への対応も含めた包括的なサポートを提供しました。
委任による登記手続きと法定代理人の責任
企業登記手続きは、政令第12条により第三者への委任が認められています。同条第1項は「Trường hợp ủy quyền cho cá nhân thực hiện thủ tục đăng ký doanh nghiệp, kèm theo hồ sơ đăng ký doanh nghiệp phải có văn bản ủy quyền cho cá nhân thực hiện thủ tục liên quan đến đăng ký doanh nghiệp và bản sao giấy tờ pháp lý của cá nhân được ủy quyền. Văn bản ủy quyền này không bắt buộc phải công chứng, chứng thực(個人に企業登記手続きを委任する場合、登記書類には委任状と被委任者の法的書類の写しを添付しなければならない。この委任状は公証・認証が必須ではない)」と定めています。
この規定により、企業は法律事務所や登記代行業者に手続きを委任することが可能です。ただし、政令第4条第2項が定めるように「người đại diện theo pháp luật thực hiện thủ tục đăng ký doanh nghiệp phải đảm bảo và chịu trách nhiệm về việc thực hiện đúng quyền hạn, nghĩa vụ của mình theo quy định tại khoản 2 Điều 12 Luật Doanh nghiệp(登記手続きを実施する法定代理人は、2020年企業法第12条第2項の規定に従い、自らの権限と義務を適切に行使することを保証し、責任を負わなければならない)」のであり、委任した場合でも企業の法定代理人は最終的な責任を負います。
A社の事業所登録において、Unilawは専門的知識を活かして手続きを代行しましたが、同時に企業の法定代理人が理解すべき法的責任についても明確に助言しました。これは、形式的な手続き代行だけでなく、企業が法令遵守体制を内部に構築できるよう支援する顧問弁護士の重要な役割です。
企業登記情報の法的価値と公開性
政令第3条第3項は「Thông tin trong hồ sơ đăng ký doanh nghiệp và tình trạng pháp lý của doanh nghiệp lưu giữ tại Cơ sở dữ liệu quốc gia về đăng ký doanh nghiệp có giá trị pháp lý là thông tin gốc về doanh nghiệp(企業登記書類の情報および企業の法的状態が国家企業登記データベースに保存されたものは、企業に関する原本情報としての法的価値を有する)」と規定しています。
この規定は、登記情報が単なる形式的記録ではなく、企業の法的実体を証明する決定的な証拠であることを意味します。事業所登録情報も同様に、企業が正式に事業活動を行う場所として法的に認められた証拠となります。そのため、登記内容の正確性と最新性を維持することは、企業の法的安定性にとって極めて重要です。
A社への継続的な法務サポートにおいて、Unilawは登記情報の定期的な確認と、必要に応じた更新手続きの助言を提供しています。これにより、企業は常に法令遵守状態を維持し、取引先や行政機関との関係において信頼性を確保できます。
まとめ:継続的な企業法務サポートの必要性
A社の事例が示すように、ベトナムで事業を展開する企業にとって、企業登記制度の理解と適切な対応は継続的な課題です。政令第01/2021/NĐ-CP号が定める詳細な手続き要件を正確に理解し、企業内部ガバナンスと統合的に運用することで、法令遵守と効率的な経営の両立が可能となります。
Unilawは、企業登記や事業所登録といった具体的手続きの支援だけでなく、企業が直面する法的課題全般について予防法務の観点から継続的にサポートいたします。ベトナムにおける企業法務に関してご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にUnilawまでお問い合わせください。