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会社 の 顧問 弁護士 個人 的 な 相談 | Unilaw

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会社の顧問弁護士個人的な相談 | Unilaw

ベトナムで事業を展開する日系企業の多くは、法人顧問契約を弁護士事務所と締結し、日常的な企業法務のサポートを受けています。しかし実務において、企業の経営者や駐在員の方々から「会社の顧問弁護士に個人的な法律問題を相談できるのか」という質問を頻繁に受けます。この問題は、日本では比較的明確に整理されている論点ですが、ベトナムにおいて活動する日本人にとっては、ベトナム法制度の下での弁護士の職務範囲や守秘義務の範囲、さらには利益相反の判断基準について正確な理解が必要となります。

本稿では、ベトナム法における弁護士の職務と依頼者との関係性を規律する法的枠組みを詳細に分析し、会社の顧問弁護士に個人的な相談を行うことの可否、その際の留意点、および推奨される実務対応について、法的根拠に基づき解説いたします。

ベトナムにおける弁護士の職務範囲と依頼者の定義

ベトナムにおける弁護士の業務は、2006年弁護士法(Luật Luật sư 2006)およびその後の2012年改正弁護士法(Luật Luật sư 2012、2019年改正を含む)によって規律されています。同法第5条は、弁護士の基本的権利および義務を定めており、弁護士は依頼者(khách hàng)の正当な権利および利益を保護する職務を負うとされています。

重要なのは、弁護士法における「依頼者」の概念です。同法第4条第7項において、依頼者とは「弁護士と法律サービス提供契約を締結した組織または個人」と定義されています。つまり、ベトナム法上、依頼者の地位は契約関係によって発生するものであり、企業と顧問契約を締結している場合、原則として当該企業(法人格)が依頼者となります。

したがって、企業の顧問弁護士との間に締結された顧問契約において、契約当事者が法人のみである場合、その企業の従業員や役員個人は、形式的には当該顧問契約における「依頼者」ではありません。この点は、弁護士の守秘義務の範囲や利益相反の判断において、重要な意味を持ちます。

守秘義務の範囲と個人相談の法的リスク

弁護士法第10条第1項(đ)は、弁護士の基本的義務として、職務遂行において知り得た情報および秘密を保持する義務を定めています。さらに同法第20条は、弁護士の守秘義務について詳細に規定しており、依頼者の秘密を保護することは弁護士の最も重要な職業倫理の一つとされています。

ここで問題となるのは、会社の顧問弁護士が、その会社の役員や従業員から個人的な相談を受けた場合、その情報に対する守秘義務が誰に対して負われるのか、という点です。顧問契約の相手方が法人である場合、弁護士の第一義的な忠実義務(duty of loyalty)は当該法人に対して負われます。

例えば、ある日系企業の駐在員が、会社の顧問弁護士に対して、個人的な労働紛争(前職における未払賃金請求など)について相談したとします。この場合、弁護士と駐在員個人との間に別途の委任契約が締結されていない限り、当該弁護士は駐在員個人に対する守秘義務を法的に負うとは限りません。むしろ、相談内容が企業の利益と関連する場合(例えば、駐在員の個人的問題が企業の評判に影響を与える可能性がある場合)、弁護士は顧問先企業に対する報告義務を負う可能性があります。

この構造は、ベトナム民法典(Bộ luật Dân sự 2015)第401条以下に規定される委任契約の一般原則からも裏付けられます。受任者である弁護士は、委任者である企業に対して善管注意義務および報告義務を負い、企業の利益に反する行為を避ける義務があります。

利益相反の問題と実務上の対応

さらに複雑な問題は、個人相談の内容が会社の利益と相反する場合です。弁護士法第9条第1項(b)は、弁護士が利益相反関係にある当事者を同時に代理することを禁止しています。具体的には、同一の法律事件または関連する法律事件において、利益が相反する複数の当事者を代理することはできません。

典型的な例として、駐在員が勤務先企業との間で労働紛争を抱えている場合、あるいは企業からの解雇を争いたい場合などが挙げられます。このような状況で、会社の顧問弁護士に相談することは、明白な利益相反を生じさせます。弁護士は、企業(使用者)と従業員(労働者)という対立する立場の双方を代理することはできず、このような相談を受けること自体が職業倫理上問題となり得ます。

また、より微妙なケースとして、駐在員が個人的なビジネスをベトナムで立ち上げる計画について相談する場合も考えられます。この計画が勤務先企業の事業と競合する可能性がある場合、あるいは企業の営業秘密や顧客情報を利用する可能性がある場合、会社の顧問弁護士がこの相談に応じることは、企業に対する忠実義務に反する可能性があります。

契約による明確化と推奨される実務対応

上記の法的リスクを回避するため、実務上最も推奨される対応は、個人的な法律相談については、会社の顧問弁護士とは別の独立した弁護士に依頼することです。これにより、利益相反の問題を根本的に回避でき、個人として十分な法的保護を受けることが可能となります。

ただし、企業によっては、福利厚生の一環として、従業員や駐在員が個人的な法律問題について相談できる体制を整備している場合もあります。このような場合、顧問契約書において、サービスの範囲を明確に定めることが重要です。具体的には、契約書に「本契約に基づく法律サービスは、契約当事者である法人に対してのみ提供されるものであり、当該法人の役員、従業員その他の関係者個人に対しては提供されない」といった条項を設けるか、逆に「企業は、その役員および従業員が、年間○時間の範囲内で、企業業務と利益相反しない個人的事項について相談できる権利を有する」といった明示的な規定を置くことが考えられます。

後者の場合、2015年ベトナム民法典第398条は、契約自由の原則を認めており、当事者は法令に反しない限り、契約の内容を自由に定めることができます。したがって、顧問契約において、法人のみならず、その役員・従業員個人に対しても一定範囲の法律サービスを提供する旨を明記することは、法的に有効です。この場合、契約書には、①サービスを受けられる個人の範囲(役員のみか、全従業員か)、②相談可能な事項の範囲(企業業務と利益相反しない事項に限定)、③利用時間の上限、④秘密保持の取扱い(企業に対する報告義務の有無)などを明確に規定すべきです。

さらに、弁護士法第19条第2項(b)は、弁護士が法律サービス提供契約を締結する際、契約内容を明確に書面化する義務を定めています。同条に基づき、個人的相談を含む顧問契約を締結する場合、弁護士は依頼者に対し、サービスの範囲、報酬、守秘義務の範囲、利益相反が生じた場合の対応などについて、明確に説明し、書面で合意を得る必要があります。

日本法との比較と実務上の注意点

日本においても、会社の顧問弁護士に個人的な相談をすることの可否については、同様の法的問題が存在します。日本弁護士連合会(日弁連)の弁護士職務基本規程第27条は、利益相反の禁止を定めており、弁護士は、受任している事件について、相手方から依頼を受けて相手方を代理してはならず、また同一の事件について相手方の協議を受けてはならないとされています。

ベトナム法においても、前述の弁護士法第9条第1項(b)が同様の原則を定めていますが、実務上の運用において、日本とベトナムでは若干の相違が見られます。日本では、弁護士と依頼者との間の信頼関係が重視され、契約書が必ずしも詳細に作成されないケースも多いのに対し、ベトナムでは、前述の弁護士法第19条に基づき、契約内容の明確な書面化がより厳格に求められる傾向にあります。

また、ベトナムにおいて活動する日系企業の駐在員の方々にとって特に注意すべき点は、言語の問題です。法律相談においては、微妙なニュアンスや詳細な事実関係を正確に伝える必要がありますが、ベトナム人弁護士との間では言語の壁が障害となる場合があります。企業の顧問弁護士が日本語対応可能である場合、つい個人的な相談もしてしまいがちですが、前述の法的リスクを十分に理解した上で判断する必要があります。

個人として独立した弁護士を選任する際の留意点

個人的な法律問題について、会社の顧問弁護士とは別の弁護士に依頼する場合、以下の点に留意することが推奨されます。

第一に、ベトナムで活動する弁護士の資格について確認することです。2012年弁護士法第13条は、ベトナムにおいて弁護士業務を行うための資格要件を定めており、ベトナム弁護士資格証(Thẻ luật sư)を有することが必要です。外国法事務弁護士(Foreign Lawyer)の場合、業務範囲に一定の制限があるため(同法第58条)、自身の法律問題がその業務範囲内であるかを確認する必要があります。

第二に、弁護士報酬について明確な合意を得ることです。2015年民法典第423条は、有償契約における報酬支払義務を規定しており、法律サービス契約も有償契約として、報酬額、支払時期、支払方法などを契約書で明確にすべきです。特に、ベトナムにおける弁護士報酬は、日本と比較して体系が異なる場合があるため、事前に詳細な見積もりを取得し、追加費用が発生する条件なども確認しておくことが重要です。

第三に、秘密保持について確認することです。前述のとおり、弁護士法第10条および第20条は弁護士の守秘義務を定めていますが、個人として弁護士に依頼する場合、自身が依頼者として完全な守秘義務の保護を受けられることを、契約締結時に明確に確認すべきです。

結論

ベトナム法の下では、会社の顧問弁護士に個人的な法律相談を行うことは、顧問契約の内容次第では可能ですが、利益相反や守秘義務の範囲について重大な法的リスクを伴います。特に、相談内容が会社の利益と相反する可能性がある場合、あるいは会社に知られたくない個人的事項である場合は、独立した弁護士に依頼することを強く推奨します。

企業としては、駐在員や従業員の福利厚生の観点から、個人的な法律相談についても一定の支援を提供したい場合、顧問契約とは別に、個人向け法律相談サービスを提供する契約を別途締結するか、あるいは顧問契約において明確に個人相談の範囲と条件を規定することが望ましいでしょう。

いずれの場合も、契約内容を明確に書面化し、サービスの範囲、守秘義務、利益相反の取扱いについて、関係者全員が明確に理解していることが不可欠です。ベトナムにおける弁護士との契約や個人的な法律問題についてご不明な点がございましたら、ぜひUnilawまでお気軽にご相談ください。当事務所では、日本語での対応が可能であり、ベトナム法に精通した専門家が、皆様の法的ニーズに応じた最適なサポートを提供いたします。

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