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ベトナムにおける投資 駐在 員 ビザ取得と実務上の法的留意点:弁護士による徹底解説

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ベトナムにおける投資 駐在 員 ビザ取得と実務上の法的留意点:弁護士による徹底解説

ベトナムへの直接投資(FDI)が拡大を続ける中、日本企業が現地法人を設立し、駐在員を派遣する際、最も慎重な検討を要するのが適切な滞在資格の確保、すなわち投資 駐在 員 ビザおよび関連する労働許可の取得です。ベトナムの入国・出国・ transit・居住法(法律番号:47/2014/QH13)およびその改正法、そして2020年投資法、2019年労働法は、外国人の滞在目的に応じて厳格なカテゴリー分けを行っています。これらの規定を正しく理解し、コンプライアンスを遵守することは、企業の社会的信用維持のみならず、役職員の法的安全を確保するために不可欠です。本稿では、実務に精通した弁護士の視点から、各種ビザの要件、ワークパーミット(労働許可証)との相関関係、および最新の裁判例に基づいた法的リスクについて詳細に分析します。

1. ベトナムにおける外国人滞在資格の法的枠組み

ベトナムでの事業活動に従事する外国人が取得する主な滞在資格には、投資家向けのビザ(DT)と、労働者向けのビザ(LD)があります。これらは、2014年外国人のベトナム入国・出国・ transit・居住法(2019年改正)によって規定されています。

実務上、を活用して進出形態を検討する際、まずは「投資家」として入国するのか、あるいは「専門家・管理者」として派遣されるのかを明確にする必要があります。滞在期間が30日を超え、かつ定期的な就労が発生する場合、単なる商用ビザ(DN)では不十分であり、適切な就労資格への切り替えが求められます。

2. 投資家ビザ(DT)の種類と要件

2019年の改正法により、投資家ビザ(DT)は投資額に応じて細分化されました。これは、実態のない小規模投資による滞在権の悪用を防ぐことを目的としています。

  • DT1ビザ: 投資額が1,000億ベトナムドン以上、または政府が決定する優先分野・地域への投資。
  • DT2ビザ: 投資額が500億ベトナムドン以上1,000億ベトナムドン未満。
  • DT3ビザ: 投資額が30億ベトナムドン以上500億ベトナムドン未満。
  • DT4ビザ: 投資額が30億ベトナムドン未満。

DT1からDT3のビザ保持者は、一時居住カード(TRC)の申請が可能であり、最大5年から10年の長期滞在が認められます。一方で、投資額が30億ドンに満たないDT4の場合、ビザの有効期間は12ヶ月以内に制限され、TRCの申請権も与えられません。

3. 投資 駐在 員 ビザとワークパーミット(労働許可証)の関係

多くの駐在員が直面するのは、ビザの取得だけでなく、ワークパーミット(WP)の要件です。2019年労働法第151条および政令152/2020/NĐ-CP(政令70/2023/NĐ-CPおよび政令219/2025/NĐ-CPによる修正を含む)に基づき、ベトナムで就労する外国人は原則としてWPを取得しなければなりません。

3.1. 投資家に対するWP免除規定

特定の要件を満たす「投資家」は、WPの取得が免除されます。最新の規定(労働法第154条および政令219/2025/NĐ-CP第7条)によれば、以下の者が対象となります:

  • 投資額が30億ベトナムドン以上の有限責任会社の出資者または所有者。
  • 投資額が30億ベトナムドン以上の株式会社の取締役会会長または役員。

投資額が30億ドン未満の場合は、たとえ出資者であってもWPを取得するか、または別途免除承認手続きを経る必要があります。この閾値は、投資 駐在 員 ビザを検討する際の重要な分岐点となります。また、WP免除対象であっても、労働局(SLĐTBXH)に対して「WP免除の確認」手続きを行う義務がある点に注意が必要です。

の現場では、この投資額の算定において、定款資本(登録資本)だけでなく、実際の払込資本が確認されるため、送金証明書等の証憑管理が極めて重要です。

4. 駐在員派遣(LD・DNビザ)の法的実務

投資家本人ではない駐在員、例えば日本本社から派遣される技術専門家や管理者の場合、労働ビザ(LD1、LD2)または商用ビザ(DN1、DN2)を基盤に活動します。

  • LD1ビザ: 労働許可証の免除確認を受けた外国人労働者。
  • LD2ビザ: 労働許可証を取得した外国人労働者。

これらを取得するためには、まず企業側が「外国人労働者の使用ニーズ」について人民委員会の承認を得なければなりません(政令219/2025/NĐ-CP第1条、第4条)。このプロセスでは、なぜ当該職務にベトナム人ではなく外国人を用いる必要があるのか、論理的な説明が求められます。

適切なを履行するためには、雇用契約書の締結(または出向命令書の作成)が、WPおよびビザ取得の要件を満たしているかを精査する必要があります。

5. 裁判例からみる滞在・就労の法的リスク

滞在資格や就労資格の不備は、労働紛争が発生した際に企業にとって致命的な弱点となります。以下に主要な裁判例を分析します。

5.1. 労働許可証のない雇用契約の無効(判決番号:1624/2022/LĐ-ST)

ホーチミン市人民裁判所の事案では、WPを取得せずに就労していた外国人労働者(米国籍)が、会社による一方的解雇の不当性を訴えました。裁判所は、労働法第151条および第153条を引用し、WPの取得は労働契約が有効に成立するための必須要件であると判断しました。WPがない状態での就労は法令違反であり、当該労働契約は当初から無効(Vô hiệu)であると認定されました。この結果、労働者が主張した解雇に伴う多額の損害賠償請求は棄却されましたが、企業側もまた、不法就労を許容したとして行政処分の対象となりました。このように、投資 駐在 員 ビザとWPの整合性が取れていない場合、司法の保護を受けることが困難になります。

5.2. 日本本社とベトナム子会社間の雇用関係の認定(判決番号:05/2021/LĐ-PT)

日本企業からベトナムの子会社へ派遣された専門家(日本国籍)が、ベトナムでの雇用終了を不服として提訴した事例です。争点は、労働者が「日本本社」と「ベトナム子会社」のどちらと直接の労働関係にあるかでした。裁判所は、WPの申請書類、給与の支払主体、日常的な指揮命令系統を精査しました。結果として、ベトナムでのWP取得に基づき現地での実態的な就労が行われていたため、ベトナム労働法の適用を免れないと判断しました。外資系企業は、日本からの出向であっても、ベトナム国内法上の雇用主としての責任(社会保険加入義務、解雇手続きの遵守等)を負うリスクを常に認識しておく必要があります。

6. 内部配転(イントラ・コーポレート・トランスフェリー)の特例

ベトナムが加盟する世界貿易機関(WTO)のサービス貿易に関する約束に基づき、特定の11分野(ビジネス、通信、建設、流通、教育、環境、金融、健康、観光、娯楽、運輸)において、外国企業からベトナム拠点へ一時的に異動する専門家・管理者等にはWP取得における優遇措置があります。しかし、この「内部配転」として認められるためには、日本本社で少なくとも12ヶ月以上雇用されていることを証明する書類(労働契約書や社会保険加入記録)に対し、領事認証と公証翻訳が必要となります。この手続きを怠り、安易に現地採用と同様のスキームで投資 駐在 員 ビザを申請すると、WP免除のメリットを享受できなくなる場合があります。

7. 不法就労・不法滞在に対する制裁(政令12/2022/NĐ-CP)

ベトナム政府は近年、外国人の管理を強化しており、行政罰政令12/2022/NĐ-CPに基づき、以下の制裁が科せられます:

  1. 労働者側: WPなし、または有効期限切れのWPで就労した場合、1,500万ドンから2,500万ドンの罰金が科せられ、さらに「強制送還(Trục xuất)」の対象となります(第32条第3項)。一度強制送還されると、一定期間の再入国が禁止されるため、事業継続に甚大な支障をきたします。
  2. 雇用主側: 外国人を不法に就労させた企業に対し、人数に応じて3,000万ドンから7,500万ドンの罰金が科せられます。悪質な場合は、一定期間の事業活動停止命令が下る可能性もあります。

8. 実務上のアドバイスとコンプライアンス・チェックリスト

トラブルを回避し、円滑にを運用するために、以下の実務対応を推奨します:

  • 職務内容の整合性: ビザのカテゴリー(DTまたはLD)と、実際の業務実態、およびWP上の職位(管理者、CEO、専門家等)が完全に一致しているか確認してください。職務内容の不一致は、WP失効の事由となります(政令152/2020/NĐ-CP第15条)。
  • 法定期限の管理: ビザやTRC、WPの更新手続きは、期限満了の少なくとも30日前(WPは45日前から)に開始する必要があります。2019年法では、WPの有効期間は最大2年であり、更新も1回(さらに2年)に限られます。その後の継続就労には、新規の申請プロセスが求められます。
  • 領事認証の重要性: 日本で発行された卒業証明書、職歴証明書、犯罪経歴証明書等は、必ず日本国外務省の公印確認および駐日ベトナム大使館の領事認証を受けていなければ、ベトナム当局で有効な書類として受理されません。
  • 家族の滞在資格: 駐在員に同行する家族については、TTビザ(家族ビザ)を申請します。主たる駐在員がTRCを取得すれば、家族も同期間のTRC取得が可能となりますが、家族が現地で就労する場合は、別途LDビザおよびWPの取得が必須となります。

9. 結論

ベトナムにおける投資 駐在 員 ビザの取得と維持は、単なる行政手続きを超えた高度なリーガル・コンプライアンスの領域です。2020年投資法および2019年労働法の厳格な運用、そして不法就労に対する「強制送還」という厳しい罰則を考慮すれば、企業の法務・人事担当者は常に最新の法制度と裁判所の動向を注視しなければなりません。

特に、日本本社の規定とベトナム現地法の乖離が、不当解雇訴訟や行政処分の火種となるケースが散見されます。投資総額や職務実態に応じた最適なスキームを選択し、必要書類の認証手続きを正確に進めるためには、法改正の背景や実務慣行を熟知した弁護士のアドバイスを受けることが、ベトナム事業の安定的発展への最短距離となります。外国人材の活用が企業の成長エンジンである以上、その法的基盤を強固に構築することに妥協は許されません。

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