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労働法 · 11.04.2025

ベトナム労働許可証更新の完全ガイド|政令219/2025号の期限と判例

ベトナム労働許可証更新は、2025年8月7日施行の政令第219/2025/NĐ-CP号により手続も期限も変わりました。旧政令第152/2020/NĐ-CP号を前提にした社内マニュアルのままでは、駐在員の在留が切れます。本稿では、まず実際の裁判例から「更新を落とすと何が起きるか」を示し、次に現行法の条文と期限、最後に日系企業が踏みやすい失敗を整理します。 1. 判例から見る:労働許可証は「誰の雇用か」で守られ方が変わる 労働事件控訴審判決第01号(2025年8月18日・最高人民裁判所ホーチミン市控訴法廷)は、日系企業にとって最も実務的な示唆を含む一件です。…

作者:admin_jp阅读时间: 5 min
ベトナム 労働 許可 証 更新_川辺の小鳥の囀り

ベトナム労働許可証更新は、2025年8月7日施行の政令第219/2025/NĐ-CP号により手続も期限も変わりました。旧政令第152/2020/NĐ-CP号を前提にした社内マニュアルのままでは、駐在員の在留が切れます。本稿では、まず実際の裁判例から「更新を落とすと何が起きるか」を示し、次に現行法の条文と期限、最後に日系企業が踏みやすい失敗を整理します。

1. 判例から見る:労働許可証は「誰の雇用か」で守られ方が変わる

労働事件控訴審判決第01号(2025年8月18日・最高人民裁判所ホーチミン市控訴法廷)は、日系企業にとって最も実務的な示唆を含む一件です。第一審は労働事件第一審判決第07/2024/DS-ST号(2024年6月4日・ホーチミン市人民裁判所)。

  • 事案:台湾の親会社から在ベトナム子会社へ出向していた外国人従業員が、ベトナム子会社と毎年締結していた労働契約を根拠に、賃金・退職手当・違法解雇の賠償など総額約33億8,840万ドンを請求。あわせて労働許可証と一時在留許可証の取消通知の無効と再取得を求めました。
  • 子会社の主張:ベトナム子会社が毎年労働契約を結んでいたのは、労働許可証の申請書類に労働契約が必要だからであり、実質的な労働関係は親会社との間にある。
  • 裁判所の判断:出向元との2011年の労働契約、給与の実際の支払元(親会社から本人口座へ送金)、親子間の協力契約の内容などから、実質的な使用者は親会社であると認定。ベトナムへの派遣・帰任も適法とされ、請求はすべて棄却されました。控訴も認められず、第一審判決が維持されています。

ここから読み取るべき点は二つです。第一に、労働許可証を取るためだけに結んだ形式的な労働契約でも、訴訟では実体で判断されること。第二に、子会社が勝てたのは出向指示書・給与支払いに関する親子間の協力契約・送金記録という書面が揃っていたからであり、これらが無ければ結論は逆になり得たということです。出向者の労働許可証更新は、単なる行政手続ではなく、こうした書面の整合性を毎年点検する機会でもあります。

2. ベトナム労働許可証更新の法的根拠と期限

現行の根拠は政令第219/2025/NĐ-CP号(2025年8月7日施行)と労働法第45/2019/QH14号です。同政令により、外国人労働者に関する政令第152/2020/NĐ-CP号(政令第70/2023/NĐ-CP号による改正を含む)の規定は置き換えられました。

項目 現行の期限 根拠
更新申請の受付期間 満了日の45日前から10日前まで 第28条第1項
審査・更新の期間 受理から10営業日以内 第28条第3項
更新できる回数 1回限り、最長2年 第29条
ベトナム人向け求人公告 申請書提出の5日前まで 発給・更新の条件
需要説明報告 申請書類(様式第03号)に統合 第27条第1項
提出先 地方の行政サービスセンター/国家公共サービスポータル 第6条・第28条

更新申請の書類は、需要説明・更新申請書(様式第03号)、健康診断書、カラー写真2枚(4cm×6cm)、現に有効な労働許可証、そして更新の根拠となる契約書類です(第27条)。

3. 更新は1回だけ——任期設計への影響

実務上いちばん見落とされるのが第29条です。更新は一度しかできず、更新後の期間も最長2年。つまり労働許可証で連続して就労できるのは、原則として発給2年+更新2年の合計4年が上限です。5年目以降も駐在を続けるなら、新規発給の手続をゼロからやり直すことになります。3年・5年の駐在計画を立てている企業は、着任の時点でこの構造を織り込んでおく必要があります。

4. 労働許可証と在留カードの連動

労働許可証は労働法上の「働いてよい」という許可、一時在留許可証(Thẻ tạm trú)は出入国管理上の「滞在してよい」という許可です。別々の制度ですが、労働許可証の残存期間が在留許可の上限を規定するため、更新が遅れると在留カードも短くしか出ません。上記の判例で従業員が労働許可証と在留許可証の取消をあわせて争ったのは、この連動があるからです。

5. ベトナム労働許可証更新でよくある失敗

  • 旧政令の日数で逆算する——「満了45日前から5日前まで」「審査5営業日」は旧制度です。現行は10日前が締切、審査10営業日。
  • 早く出しすぎる——45日より前に出しても受理されません。早すぎる申請も遅すぎる申請と同じく失敗します。
  • 求人公告を飛ばす——更新にも5日前までの公告が条件です。後から追完できません。
  • 更新回数の上限を知らない——2回目の更新はできません。
  • 出向関係の書面を更新しない——判例が示すとおり、出向指示書・給与負担の合意・送金記録の整合性が、紛争時の結論を左右します。

6. Unilawのサポート

Unilawは、労働許可証の新規取得・更新・免除確認から、就労ビザ、一時在留許可証、労働契約と出向契約の整合性チェックまで一括して扱います。ベトナム労働許可証更新のご相談は、満了日の3か月前までにいただくのが最も安全です。

本稿は2026年9月時点の法令に基づく一般的な解説であり、個別案件についての法的助言ではありません。引用:労働法第45/2019/QH14号、政令第219/2025/NĐ-CP号、労働事件控訴審判決第01号(2025年8月18日・最高人民裁判所ホーチミン市控訴法廷)。

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