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ベトナムにおける法人 不動産 売却 税金に関する包括的な法的実務分析

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ベトナムにおける法人 不動産 売却 税金に関する包括的な法的実務分析

ベトナムで事業を展開する日系企業にとって、所有する不動産(土地使用権および地上資産)の売却は、単なる資産の譲渡にとどまらず、複雑な法的義務と税務負担を伴う重大な経営判断です。「法人 不動産 売却 税金」に関する法制度を正確に把握することは、不要な罰則を回避し、利益を最大化するために不可欠です。本稿では、2024年土地法、法人所得税法、付加価値税法、および関連する最新の政令と裁判例に基づき、弁護士の視点から詳細に解説します。

1. 法人による不動産譲渡所得に対する所得税(CIT)の分析

ベトナムの法人所得税法において、不動産譲渡から生じる所得は、通常の製造・サービス業による所得とは別に管理・計算されなければなりません。法人所得税法および政令第218/2013/ND-CP、改正政令第12/2015/ND-CPに基づき、不動産譲渡所得に対しては一律で20%の税率が適用されます。

1.1 課税所得の算定方法

課税対象となる所得は、以下の算式によって算出されます:

課税所得 = 譲渡価格 – 資産の原価 – 譲渡に関連する合理的な費用

ここで重要なのは「譲渡価格」の決定です。原則として契約書に記載された実際の取引価格が採用されますが、その価格が市場価格と比較して著しく低い場合、あるいは州政府が規定する土地価格表(価格フレーム)を下回る場合は、税務当局が土地価格表に基づいて価格を再設定(賦課)する権限を持っています。裁判例(例えば判決番号 1019/2024/DS-PT)では、税金逃れを目的として契約価格を低く偽装した取引が、虚偽の意思表示として無効とされた事例もあります。

1.2 控除可能な費用の範囲

譲渡所得を計算する際、以下の費用を控除することが認められています:

  • 土地使用権の取得価額または地上資産の建設費用。
  • 土地の改良、整地、およびインフラ整備に要した費用。
  • 測量費用、法的監査、公証費用、および譲渡手続きを代行した専門家への報酬。
  • 不動産に関連する借入金の利息(一定の条件を満たす場合)。

2. 不動産譲渡における付加価値税(VAT)の特例制度

法人が不動産を売却する際、付加価値税(VAT)の取り扱いは非常に特殊です。現行の付加価値税法および政令第181/2025/ND-CPによると、不動産譲渡はVATの課税対象となりますが、土地使用権の価値そのものについては非課税となります。

2.1 土地控除額の計算

VATの計算において、課税標準となる額は、不動産の譲渡価格から「控除される土地使用権の価値(土地価格)」を差し引いた残額となります。控除される土地価格の算定は、その取得経緯により異なります:

  • 国から土地を割り当てられた場合:国に支払った土地使用料(免除・減免額を除く)。
  • 他者から譲渡を受けた場合:譲渡契約時の価格(建物代金を除く)。
  • 競売により取得した場合:競売での落札価格。

この控除額を差し引いた後の金額に対して、原則として10%のVATが課されます。ただし、将来形成される住宅(建設中のマンション等)の売買においては、建設の進捗に応じた支払いごとにVATを申告・納付する必要があります。

3. 登録料(登録免許税)およびその他の公的負担

不動産の所有権または使用権を移転する際、受贈者または買主は「登録料(Lệ phí trước bạ)」を支払わなければなりません。政令第10/2022/ND-CPに基づき、不動産の登録料率は一律0.5%です。

実務上、契約書において売主(法人)がこの費用を負担すると合意することも可能ですが、納税義務者としての法的責任は買主にあることに留意が必要です。また、法人が所有する土地が「賃貸借(リース)」形式で、土地代金を毎年支払っている場合、その土地使用権そのものを直接売却することは法律で禁じられています。この場合、地上資産のみを売却し、買主が国から土地を借り直す手続き(土地リース権の継承)が必要となります。

4. 税務申告の手続きと期限

「法人 不動産 売却 税金」の申告は、通常の法人決算とは異なるタイミングで行われます。税務管理法第44条によると、不動産譲渡が発生した法人は、譲渡契約が法的効力を生じた日から10日以内に、管轄の税務当局に対して所得税の申告を行わなければなりません。

定期的に不動産取引を行う不動産開発会社の場合は、四半期ごとに暫定納付を行い、年度末に確定申告を行うことが認められています。申告が遅延した場合、1日あたり0.03%から0.05%の延滞金が課されるリスクがあります。

5. 裁判例からみる不動産譲渡と税務リスク

ベトナムの裁判所は、不動産譲渡における税務コンプライアンスの不備を厳しく判断する傾向にあります。以下に、日系企業が教訓とすべき重要な事例を挙げます。

5.1 価格の虚偽記載による契約無効(判決番号 219/2025/DS-PT)

この事件では、当事者が税金を低く抑えるために、実際の取引価格が54億ドンであったにもかかわらず、公証契約書には1億ドンと記載しました。後に当事者間で紛争が生じ、裁判所は「実際の意思表示を隠匿するための虚偽の取引」であるとして、民法第129条に基づき、1億ドンの契約を無効と判断しました。税務当局はこれに基づき、不足している税額と罰金を追徴課税しました。

5.2 係争中の資産譲渡の制限(判決番号 15/2026/KDTM-PT)

裁判所は、訴訟の対象となっている不動産や、執行機関によって差し押さえ( kê biên)られている資産を、法人が第三者に譲渡する行為を厳格に制限しています。このような資産を売却した場合、譲渡契約は法的に無効となり、支払った税金や手数料の還付手続きも極めて困難になります。

5.3 外国投資企業による土地使用権の処分(判決番号 03/2024/KDTM-PT)

外国投資企業(FIE)が、工業団地内の土地使用権を他の企業に譲渡しようとした際、土地代金の一括払い(1回払い)が完了しており、土地使用権証(レッドブック)を保持しているかどうかが争点となりました。裁判所は、土地法第175条および第189条に基づき、毎月払いの土地使用権は「資産としての譲渡」ができず、地上資産の売却を通じた権利の移転しか認められないことを再確認しました。

6. 日系企業が遵守すべき実務上のチェックリスト

不測の事態を避けるため、法人が不動産を売却する際には、 を通じて以下の点を確認することを推奨します:

  • 法的代表者の権限: 売却を決定する取締役会または株主総会の決議が、企業法および定款に則って適切になされているか。
  • 税務上の価格設定: 契約価格が、独立企業間価格および地域の土地価格表と比較して合理的であるか。
  • インボイスの発行: VATの還付や仕入税額控除を適切に行うため、電子インボイス(E-Invoice)を規定通りに発行・保管しているか。
  • 外国投資関連の義務: 譲渡に伴い投資登録証明書(IRC)や企業登録証明書(ERC)の修正が必要となる場合、その手続き期限を遵守しているか。

特に、 の専門家の助言を得ることで、複雑な 処理を適切に行い、将来的な に備えることが可能です。

結論

「法人 不動産 売却 税金」の問題は、単なる計算上の処理ではなく、ベトナムの土地法、民法、投資法、および税法が交錯する高度に専門的な領域です。2024年土地法の施行により、土地価格の算定方法や法人の権利義務が大幅に変更されており、従来の実務が通用しないケースも増えています。

不動産売却による利益を確実に確定させ、法的な紛争から自社を守るためには、取引の初期段階から専門の弁護士を関与させ、包括的なリーガル・デューデリジェンスを実施することが最も確実な道です。ベトナムの市場環境は常に変化していますが、強固な法的コンプライアンス体制を構築することこそが、持続的な成長への鍵となります。

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