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企業 間 トラブル 弁護士 | Unilaw – 法律の専門家が企業を守る

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企業間トラブル弁護士 | Unilaw 法律の専門家が企業を守る

2025年2月、ホーチミン市の最高人民法院控訴裁判所は、ベトナムで事業を展開する情報技術企業間の契約紛争について重要な判決を下しました(判決番号08/2025年2月19日付)。この事案は、企業間取引において頻繁に発生するサービス提供契約違反の典型例であり、ベトナムに進出する日系企業にとって看過できない教訓を含んでいます。

この事案では、Công ty A(情報技術サービス提供企業)が取引先企業との間で締結したソフトウェアライセンス及びサービス提供契約(契約番号0309/HĐMB、2019年9月3日付)をめぐり、サービスの履行義務、瑕疵担保責任の範囲、及び支払義務の有無が激しく争われました。契約金額は約46億4,273万ドン(総額)で、取引先企業は第2回支払分(契約金額の50%)の支払を拒否し、逆にCông ty Aに対し契約解除と既払金の返還を求める反訴を提起したのです。

契約紛争の核心―サービス提供義務の解釈をめぐる対立

本件の中心的争点は、Công ty Aがサービス提供契約上の基本的義務を履行したか否かという点でした。取引先企業は、ソフトウェアに複数の重大な不具合(特に#158005及び#158204)が発生し、自社が進めていたData Lakeプロジェクトの遂行に支障が生じたと主張しました。しかし、裁判所の詳細な事実認定によれば、契約では5日間のインストール及びアクティベーション作業が定められており、2019年9月23日から27日までの電子メール記録(Talend社が提供した公証済電子メール証明NC0O400EYGに基づく)により、Công ty Aが期限内に適切にインストールを完了したことが立証されました。さらに、取引先企業自身が2019年10月8日付の電子メールで「非常に積極的(10点満点)」との高評価を送信していた事実が、契約履行の完了を裏付ける決定的証拠となりました。

不具合の修正義務については、取引先企業が指摘した2つの主要な不具合が2019年12月6日及び12月17日にそれぞれ解消されたことが確認されました。ここで重要なのは、契約番号0309には不具合修正の期限に関する明示的な合意が一切存在しなかったという点です。ベトナム民法典2015第420条から第429条は、サービス提供契約における当事者の権利義務を規定していますが、契約で明示的に定めていない事項について、一方当事者が事後的に独自の基準を持ち出して契約違反を主張することは認められません。この原則に基づき、裁判所は契約で定めのない修正期限違反を理由とする契約解除請求を退けました。

目的外使用リスクと契約責任の限界

本件のもう一つの重要な論点は、取引先企業が主張したData Lakeプロジェクトの失敗とCông ty Aの責任との因果関係でした。取引先企業は、2019年12月31日までに完了予定だったData Lakeプロジェクト(Google Cloud StorageとGoogle Cloud Big Queryを用いたデータ保存システム)において、Công ty Aが提供したソフトウェアが適切に機能しなかったと主張しました。しかし、裁判所の認定によれば、契約番号0309には以下の重要な事項についての合意が全く含まれていませんでした。第一に、Data Lakeプロジェクト実施のための具体的なツール選定に関する条項、第二に、取引先企業が独自に進めるプロジェクトへの適合性保証、第三に、Talend社製品の特定用途への適性確認義務です。

さらに決定的だったのは、取引先企業が契約締結前にTalend社と直接交渉し、同社製品について十分な情報を得た上で、ベトナムでの販売代理店であるCông ty Aを通じて購入する契約形態を自ら選択していた事実です。にもかかわらず、取引先企業はData Lakeプロジェクトという特定目的での使用について、Talend社にもCông ty Aにも一切通知していませんでした。ベトナム民法典第409条から第419条は、契約違反による損害賠償について、予見可能性及び因果関係の存在を要求しています。契約で明示されず、かつ相手方が知り得なかった特定目的の不達成を理由とする損害賠償請求は、この要件を満たさないため認められません。

遅延損害金及び違約金の算定―商事契約における実務的重要性

裁判所は、Công ty Aの請求を認容するにあたり、支払遅延に対する利息及び違約金について詳細な判断を示しました。契約第3条の遅延利息条項の解釈をめぐり、Công ty Aは「ベトナム外国貿易銀行の短期貸出金利の150%を上限とする」と主張したのに対し、取引先企業は「同金利そのもの」と主張しました。裁判所は、判決時点でのベトナム外国貿易銀行の公式回答(文書番号7572/HCM-TH、2024年7月10日付)に基づき、短期貸出金利年7.5%を適用しました。これは2005年商法の商事契約に関する規定に照らし、契約条項の明確性を欠く場合には債務者に有利な解釈を採用するという原則に基づく判断でした。

利息計算期間については、Công ty Aが本来の支払期限ではなく2020年2月19日を起算点として請求したため、取引先企業にとって有利な計算となりました。具体的には、22億4,689万622ドンに対し、年7.5%の利率で2020年2月19日から2024年8月21日まで(54か月)の利息として7億5,832万5,584ドンが算定されました。さらに、契約第9条に基づく違約金として、未払額の8%にあたる1億7,975万1,250ドンが加算され、最終的な支払総額は31億8,496万7,456ドンとなりました。この違約金率8%は、商法第301条が認める当事者間の自由な合意として有効と判断されています。

控訴審における主張立証の実際

取引先企業は一審判決を不服として控訴し、Công ty Aが「契約の基本的義務」に違反したとして契約解除及び既払金22億4,979万2,332ドンの返還と年10%の遅延利息を求めました。しかし、控訴審裁判所は、一審が認定した事実関係及び法律適用に誤りがないと判断しました。特に重視されたのは、以下の点です

第一に、控訴人が主張した「契約の基本的義務違反」が認められなかったこと、第二に、契約書に明記されていない事項(不具合修正期限、Data Lakeプロジェクトへの適合性保証)を理由とする契約解除請求が否定されたこと、第三に、電子メールによる顧客満足度評価(10点満点で「非常に積極的」との評価)が契約履行完了の有力な証拠として採用されたことです。控訴審裁判所は、一審判決が2005年商法及び2015年民法典の契約解釈原則を適切に適用していると認定し、控訴を棄却しました(2025年2月19日付判決番号08/2025)。

ベトナム民法典と商法が定める契約解釈原則の実際的適用

本件において最も重要な法理論的意義は、ベトナム民法典2015年第420条から第429条が規定するサービス提供契約の基本原則が、実際の紛争解決の場でどのように適用されたかという点にあります。第420条は、サービス提供者の主要な義務として「合意された品質基準に従ったサービスの提供」を定めていますが、何が「合意された品質基準」に該当するかは、契約書の文言と当事者間の実際のやり取りから総合的に判断されます。Công ty Aの事案では、契約書第1条に5日間のインストール及びアクティベーション作業が明記されており、2019年9月23日から27日までの電子メール記録がこの義務の完全な履行を証明しました。さらに、顧客企業自身が2019年10月8日に送信した高評価メールが、サービス品質に対する顧客の承認を示す決定的証拠となりました。この事実認定により、裁判所は第420条に基づくサービス提供義務が適切に履行されたと判断したのです。

他方、第428条は瑕疵担保責任について規定しており、サービスに欠陥が発見された場合のサービス提供者の修正義務を定めています。しかし、同条は修正期限については当事者間の合意に委ねており、明示的合意がない場合の法定期限は設けていません。本件で顧客企業が主張した2つの主要な不具合(#158005及び#158204)は、それぞれ2019年12月6日及び12月17日に解消されましたが、契約書には修正期限に関する条項が存在しませんでした。裁判所は、契約解釈に関する民法典第400条の一般原則—「契約は当事者が明示的に合意した内容に従って解釈されるべきであり、一方当事者が事後的に独自の基準を持ち込むことは許されない」—に基づき、期限の定めのない修正義務について「不当な遅延」があったとは認定しませんでした。

契約目的の特定性と損害賠償請求の限界—民法第409条から第419条の実務的運用

顧客企業が主張したData Lakeプロジェクト失敗に対する損害賠償請求の却下は、ベトナム民法典第409条から第419条が規定する契約違反による損害賠償法理の厳格な適用を示しています。特に第412条は、損害賠償の要件として「契約違反と損害との間の因果関係」及び「損害の予見可能性」を求めています。本件における重要な事実は、顧客企業がCông ty Aとの契約締結前にTalend社と直接交渉し、同社製品について十分な情報を得ていたにもかかわらず、Data Lakeプロジェクトという特定目的での使用についてTalend社にもCông ty Aにも一切通知していなかった点です。さらに、契約書にはGoogle Cloud StorageやGoogle Cloud Big Queryといった特定技術環境での動作保証に関する条項が全く含まれていませんでした。

裁判所は、第414条が定める「契約締結時に予見可能であった損害のみが賠償の対象となる」という原則を厳格に適用し、契約で明示されず、かつ相手方が知り得なかった特定目的の不達成による損害は、予見可能性の要件を満たさないと判断しました。この法理は、国際商取引においても広く認められているハドレー対バクセンデール原則(Hadley v. Baxendale)と整合的であり、ベトナム法が国際的な契約法理論と調和していることを示しています。実務的には、発注者側が特殊な使用目的や技術要件を有する場合、それを契約書に明記するか、少なくとも契約締結前に相手方に明確に通知する必要があるという重要な教訓を提供しています。

商事契約における遅延利息及び違約金—商法第301条の実際的解釈

本判決は、2005年商法第301条が認める当事者自治の原則—当事者が自由に違約金条項を定めることができる—を再確認しました。契約第9条に定められた8%の違約金率は、未払額に対する一律のペナルティとして有効と判断され、1億7,975万1,250ドンの違約金が認容されました。この判断は、商事契約においては当事者間の自由な合意が尊重されるというベトナム商法の基本理念を反映しています。ただし、遅延利息の算定については、契約条項の文言が曖昧であったため、裁判所は債務者に有利な解釈を採用しました。Công ty Aが主張した「ベトナム外国貿易銀行の短期貸出金利の150%」ではなく、同銀行の公式回答に基づく年7.5%の基礎金利が適用された結果、54か月分の遅延利息は7億5,832万5,584ドンと算定されました。

さらに注目すべきは、Công ty Aが本来の支払期限ではなく2020年2月19日を利息起算日として請求した点です。これは債権者が自らの請求を制限することで債務者に有利な条件を提供したものであり、裁判所はこの当事者の意思を尊重しました。この判断は、民事訴訟法第2条が定める「当事者の処分権」原則の表れであり、当事者が自己の権利を放棄または制限することは原則として許容されることを示しています。実務上、このような戦略的な請求制限は、訴訟の長期化を避け、判決の執行可能性を高めるための有効な手段となり得ます。

日系企業が学ぶべき契約管理の実務的教訓

本判決から得られる最も重要な実務的教訓は、契約書の明確性と具体性の決定的重要性です。ベトナムに進出する日系企業は、以下の点に特に注意を払う必要があります。第一に、サービス提供契約においては、単に「適切なサービスの提供」といった抽象的表現ではなく、具体的な納品物、作業工程、完了基準を詳細に定めること。第二に、不具合修正義務については、修正期限、修正方法、修正完了の判定基準を明記すること。第三に、特定の技術環境や業務目的での使用を前提とする場合、その要件を契約書に明示的に記載し、供給者側の適合性保証義務を明確にすること。第四に、違約金及び遅延利息条項については、曖昧さを排除し、計算方法を具体的に定めることです。

Công ty Aの事案では、契約書に明記されていなかった事項について、事後的に「暗黙の合意」や「当然の義務」を主張することが認められませんでした。これは、ベトナム法が契約の文言を厳格に解釈し、明示的な合意を重視する姿勢を示しています。また、電子メールのやり取りが重要な証拠として採用された点も注目に値します。本件では、公証済の電子メール証明(Giấy chứng nhận công chứng số NC0O400EYG)が決定的な証拠となりましたが、これは日常的な業務連絡においても、証拠保全の観点から記録の適切な管理が不可欠であることを示しています。特に、サービス完了時の顧客評価、不具合の報告と対応履歴、技術仕様の変更に関する合意など、契約履行の過程における重要なコミュニケーションは、後の紛争に備えて体系的に保存しておくべきです。

Unilaw—企業間トラブルにおける専門的法律支援

Công ty Aの事案が示すように、企業間取引における契約紛争は、契約書の解釈、証拠の評価、適用法規の選択など、高度な法律専門知識を要する複雑な問題を含んでいます。特に、ベトナムに進出して間もない日系企業にとっては、ベトナム民法典、商法、民事訴訟法の実際的運用について十分な知見を持つことが困難な場合も多いでしょう。Unilawは、ベトナム法と日本法の両方に精通した弁護士チームにより、契約書の作成・レビューから紛争解決まで、企業間取引のあらゆる段階で専門的なサポートを提供しています。本判決のような実際の裁判例に基づく実務的アドバイスにより、貴社のベトナムでの事業活動を法的側面から確実に支えます。企業間トラブルでお困りの際は、どうぞお気軽にUnilawまでご相談ください。

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