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投資法 · 25.03.2025

株式譲渡の弁護士費用と算定方法|7年争った最高裁判例から考える

株式譲渡の弁護士費用を「登記手続の代行料」として見積もると、ほぼ確実に見誤ります。ベトナムでは、議事録レベルの合意を株式譲渡契約だと思い込んだために、7年にわたり二度の破棄審まで争った事案が実際にあります。弁護士費用は手続料ではなく、この種の紛争を起こさないための設計費です。本稿は判例を先に示し、次に法的根拠と費用の算定方式、最後に見積りの確認手順を整理します。 1. 判例:議事録は株式譲渡契約ではない 破棄審決定第03/2018/KDTM-GĐT号(2018年5月18日・最高人民裁判所)、事件名「会社構成員間の出資持分譲渡をめぐる紛争」。 事案:201…

作者:admin_jp阅读时间: 6 min
株式 譲渡 弁護士 費用_森の道

株式譲渡の弁護士費用を「登記手続の代行料」として見積もると、ほぼ確実に見誤ります。ベトナムでは、議事録レベルの合意を株式譲渡契約だと思い込んだために、7年にわたり二度の破棄審まで争った事案が実際にあります。弁護士費用は手続料ではなく、この種の紛争を起こさないための設計費です。本稿は判例を先に示し、次に法的根拠と費用の算定方式、最後に見積りの確認手順を整理します。

1. 判例:議事録は株式譲渡契約ではない

破棄審決定第03/2018/KDTM-GĐT号(2018年5月18日・最高人民裁判所)、事件名「会社構成員間の出資持分譲渡をめぐる紛争」。

  • 事案:2011年4月28日の社員総会議事録で、一方が他方の保有する出資持分(50%)の全部を譲り受けること、国際的な監査法人に企業価値を評価させ、その評価額を譲渡価格とすること、監査結果が出た後に改めて譲渡方法と支払時期を協議することが合意されました。
  • 経過:選定された監査法人の報告は財務諸表監査であって企業価値評価ではないとされ、価格が確定しません。譲渡側は書面で6,201,040,926ドンの提示、次に「50%持分の提示価格62億ドン、有効期限は2011年12月31日まで」と条件を付し、さらに「関係会社への債務を先に返済しなければ取締役会は譲渡を承認しない」との条件も付しました。
  • 裁判所の判断:2011年12月31日までに価格の合意は成立せず、譲渡契約は締結されていない。先行する破棄審決定第31/2013/KDTM-GĐT号(2013年9月24日・最高人民裁判所判事会議)も、議事録の合意は社員総会の「方針」にとどまり未完成だと認定していました。第一審・控訴審が議事録と往復文書を根拠に譲渡を認めたのは誤りとされ、両判決とも破棄されました。

読み取るべき点は三つです。第一に、価格が確定していない合意は契約ではない。第二に、「監査法人が評価する」と書くだけでは足りず、評価の種類・基準日・拘束力まで定める必要がある。第三に、譲渡の承認条件(債務の清算など)を後から持ち出される余地を残すと、案件は止まる。2011年の議事録から2018年の破棄審まで7年——この時間と費用が、契約書作成を惜しんだ代償です。

2. 法的根拠:譲渡の形式と手続

根拠は企業法第59/2020/QH14号(2025年6月17日改正)です。

条文 内容
第52条第1項 有限責任会社(2名以上)の構成員が出資持分を譲渡するには、まず残りの構成員に持分比率に応じて同一条件で売却を申し出る。残りの構成員が申出から30日以内に購入しない・全部を購入しない場合に、同一条件で第三者へ譲渡できる
第52条第2項 譲渡した構成員も、関係する持分に相応する権利義務を(所定の時点まで)負い続ける
第127条第1項 株式は自由に譲渡できる。ただし第120条第3項の場合(設立株主の制限)および定款に譲渡制限の定めがある場合を除く。定款の制限は、当該株式の株券に明記されて初めて効力を生じる
第127条第2項 譲渡は契約または証券市場での取引により行う。契約による場合、譲渡書類に譲渡人・譲受人(またはその代理人)が署名しなければならない

つまり有限責任会社では30日の先買権プロセスを飛ばせません。株式会社では原則自由譲渡ですが、定款の制限と設立株主の制限を先に確認する必要があります。判例の事案で「取締役会の承認」が持ち出されたのは、この構造に根があります。

3. 弁護士費用の算定方式

弁護士法第65/2006/QH11号(第20/2012/QH13号により改正)第55条は、算定根拠を①法律サービスの内容・性質、②弁護士が費やす時間と労力、③弁護士の経験と信用とし、方式を4つに整理しています。

  • 案件ごとの一括報酬——譲渡の当事者・対象・価格が既に固まっており、契約書作成と登記変更が中心の案件。
  • 時間制——デューデリジェンス、価格交渉、先買権の処理など、作業量が読みにくい局面。
  • 割合方式——譲渡価額に対する一定割合。分母(譲渡価額か企業価値か)と評価時点を明記しなければ、後から必ず争いになります。
  • 長期固定(顧問契約)——譲渡後のガバナンス整備まで継続的に見る場合。

ベトナムに法定の料金表はなく、金額は第56条により契約で合意する事項です。したがって「相場」を探すより、作業範囲と除外事項を確定させるほうが実際の総額を下げます。

4. 見積りを受け取ったときの確認項目

  1. デューデリジェンスは含まれるか。含まれる場合、法務・税務・労務のどこまでか。
  2. 有限責任会社なら第52条の先買権プロセス(30日)の処理が範囲に入っているか。
  3. 株式会社なら定款の譲渡制限と設立株主の制限の確認が入っているか。
  4. 価格算定の方法(評価の種類・基準日・評価人・拘束力)を契約書に書き込む作業が含まれるか。
  5. 登記変更、税務申告(譲渡益課税)、外国投資家の場合の手続まで含むか。
  6. 紛争になった場合の追加費用の条件。

5. Unilawのサポート

Unilawは、出資持分・株式の譲渡について、デューデリジェンスから価格条項の設計、先買権の処理、契約書作成、登記変更、税務処理までを一貫して扱います。株式譲渡の弁護士費用については、案件の規模と対象会社の形態(有限責任会社か株式会社か)をお知らせいただければ、算定方式と作業範囲を書面でご提示します。

本稿は2026年9月時点の法令に基づく一般的な解説であり、個別案件についての法的助言ではありません。引用:企業法第59/2020/QH14号(2025年6月17日改正)、弁護士法第65/2006/QH11号(第20/2012/QH13号による改正)、破棄審決定第03/2018/KDTM-GĐT号(2018年5月18日・最高人民裁判所)、破棄審決定第31/2013/KDTM-GĐT号(2013年9月24日・最高人民裁判所判事会議)。

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